企業出版の費用(平均・相場・内訳)

企業出版の費用相場はいくら?料金の内訳と見積もり比較のコツ

企業出版には、200万円で取り組めるものもあれば、1,000万円以上かかるものもあります。この差を知らずに相談を始めると、最初に提示された金額が高いのか安いのか、判断しにくいのではないでしょうか。

私(ライティング株式会社代表・高木伸浩)はこれまで、企業出版の取材・執筆・制作やプロデュースに数多く関わってきました。その経験から言えば、中小企業が自社の強みを本にするために、必ずしも高額な出版プランを選ぶ必要はありません。

ここでは、私が実務で見てきた費用の目安、料金が変わる理由、そして予算に見合う出版社を選ぶためのコツをお話しします。

企業出版の費用相場は?200万円・400万円・1,000万円が目安

企業出版の費用を考えるとき、私がまずお伝えしているのは、「200万円」「400万円から」「1,000万円以上」という三つの価格帯です。どの規模の出版社へ依頼するかによって、最初に提示される金額には大きな開きがあります。

私が企業出版の実務経験から考える費用相場
依頼する出版社のタイプ費用の目安検討するときの視点
地方を含む中小・自費出版系の出版社 約200万円 限られた予算で、執筆から出版・販促までどこを任せられるか
中堅のビジネス系出版社 400万円から ビジネス分野での実績や販売・広告の内容が目的に合うか
大手のビジネス系出版社 1,000万円以上 出版社の知名度や企画・販売施策に、それだけの投資価値を見いだせるか

上記は、私が仕事を通じて接してきた価格帯の目安です。各社の一律料金や統計上の平均ではなく、仕様・取材量・広告内容によって上下します。税込・税別も見積書でそろえて比較してください。

東京のビジネス系出版社を検討されると、400万~1,000万円、内容によっては1,500万円という話になることもあります。初めて企業出版に取り組む中小企業の経営者なら、「そこまでかかるのか」と感じるのも当然でしょう。

私は、中小企業が最初の一冊を出すために、必ずしも1,000万円を用意する必要はないと考えています。自社の目的を達成するために、どこまでの費用が必要か。ここから出版社を選んでいただきたいのです。依頼先の選択肢は、企業出版ができる出版社でもご紹介しています。

当社の目安は約200万円。500部・200ページと広告を組み合わせる

では、当社ではどのくらいかかるのか。私が中小企業のお客様にお伝えする代表的な目安は、約200ページ・約500部に、ネット広告・新聞広告・書店向けFAX広告を組み合わせて約200万円というものです。

本を印刷するだけの金額を示しているわけではありません。経営者のお話や専門知識を読者に伝わる形へまとめ、一冊の本にし、知っていただくための広告も考える。この一連の仕事を、会社の規模に見合う予算で実現したいというのが当社の考え方です。

もちろん、写真が多い本やハードカバーの本、大規模な広告を打つ本では金額が変わります。約200万円は、どのような本でも制作できる定額保証ではなく、私たちの仕事でよく想定する規模をお伝えするものです。新聞広告も、掲載紙や広告枠により費用が違います。

「書きたいことはあるが、原稿を書く時間がない」という方もご相談ください。当社は取材と執筆を専門とする会社です。お客様が話してくださった内容を、誰に何を伝える本にするのかという段階から整理します。具体的な制作内容は企業出版のご案内、これまでの本は出版実績一覧をご覧ください。

取材・執筆方法出版実績・私家版を含む

費用が安くなる本・高くなる本は、出版目的で違う

採用・見込み客の獲得・理念継承の本は、文字中心でつくりやすい

採用活動に使いたい。見込み客に専門知識を伝えたい。後継者や社員へ経営理念を残したい。このような本は、文字を中心に、並製本と呼ばれるソフトカバー、本文は白黒という仕様でつくれる場合が多く、比較的費用を抑えやすくなります。

こうした本で大事なのは、経営者の考えや会社の強みを、相手が理解できる言葉で届けることです。私は、装丁を豪華にする前に、読者が読みたくなる内容と、最後まで読める文章に予算を使うことをおすすめします。

社史・周年記念・見栄えを重視する本は、仕様に費用がかかる

一方、会社の歩みを残す社史や周年記念の本、写真や図版で企業の価値を伝える本では、ハードカバー、カラー印刷、写真撮影、イラスト、箔押しなどを取り入れる機会が増えます。その分、制作費も上がりやすくなります。

取引先や来賓へお渡しし、長く保存していただく本なら、手に取ったときの印象も大切です。費用を抑えることだけを優先して、会社の価値まで低く見られる仕上がりにしてはもったいない。目的に応じて、お金をかける場所を選ぶべきだと思います。

出版目的と仕様・費用の関係
主な目的選びやすい仕様予算をかけたい部分
採用・見込み客獲得・理念継承 文字中心・並製本・本文白黒 企画、取材、執筆、読者への届け方
社史・周年記念・写真を生かすブランディング 上製本・カラー・撮影や特殊加工 資料整理、写真・図版、装丁、保存性

企業の価値を伝える出版の考え方は企業出版とブランディング出版の違い、会社の歴史をまとめる方法は社史制作で詳しくご紹介しています。

企業出版の費用内訳――金額が変わる六つの要素

1.印刷部数:300部か、3,000部かで必要な予算は変わる

私が担当する中小企業の出版では、300~500部ほどから検討することもあれば、3,000部ほどつくることもあります。部数が増えれば、紙や印刷・製本、保管・配送に必要な費用が増えます。

ただし、部数が10倍になれば出版費用の総額も10倍になる、という計算ではありません。取材・執筆やデザインには、部数にかかわらず必要な仕事があるからです。まず、社員・取引先・見込み客へ何部配り、販売用に何部回すのかを数えてみてください。

2.ページ数:私の経験では、200ページ前後が中心

企業出版でよく検討するのは100~300ページ程度、その中心は200ページ前後です。100ページと300ページでは、紙の量だけでなく、執筆する文章や掲載する素材の量も違います。ページ数を増やせば、原稿作成、編集、写真や図版の準備にも費用がかかります。

伝える内容が少ないのに、立派に見せようとページを増やす必要はありません。反対に、費用を削るために必要な説明まで省いてしまっては、読者に伝わらない本になります。読み手に必要な内容を整理してから、ページ数を考えましょう。

3.製本:並製本か、上製本か

並製本はソフトカバー、上製本はハードカバーです。厚い表紙や加工工程が必要になる上製本のほうが、一般に高くなります。私が仕様の違いを説明するときの大まかな目安では、並製本の条件で100万円とした場合、上製本では130万~150万円ほどになるイメージです。どの案件でも出版総額が同じ割合で増えるという意味ではなく、実際には同じ条件で見積もりを取ります。

商談で手渡して読み進めていただく本には、持ち運びやすいソフトカバーが合うこともあります。社史のように長く保存する本では、ハードカバーに費用をかける意味があります。

4.カラー印刷:写真を見せる場所を決める

文字中心なら本文は白黒で十分ですが、施工写真や商品の写真、細かな図版はカラーで見せたい場合があります。当社では、カラー部分を8ページ・16ページといった単位で検討し、見積もりを比べることがあります。

重要な写真だけカラーにする案と、全ページカラーにする案を比べるのがコツです。写真や図版が全体に散らばる本では、印刷方式や構成によって、部分カラーより全ページカラーのほうが安くなる場合もあります。カラーのページ数だけで判断せず、出版社に両方の案を出してもらってください。

5.書店販売:私家版・ネット販売・一般書店で費用が違う

社員や取引先へ配る私家版なら、書店へ流通させる費用は不要です。一般書店で販売する場合は、書籍の配送、在庫保管、販売管理などの費用が加わります。ネット販売を中心にする方法なら、一般書店へ広く流通させる方法より費用を抑えられる場合があります。

私は、企業出版なら何でも全国の書店へ流すべきだとは考えていません。読んでほしい相手が決まっているなら、直接お渡しするほうが目的に合うこともあります。販売する場合は一般書店での販売・流通やAmazonでの出版・販売も参考にしてください。

6.広告:10万円程度のネット広告から、大規模な宣伝まで

広告費は、特に金額の幅が大きい部分です。私が目安としてお伝えする例では、ネット広告を10万円程度に抑える方法もあれば、地方新聞の書籍広告で10万~30万円程度、大手新聞の書籍広告枠で50万~100万円程度かける方法もあります。実際の料金は媒体・枠・掲載時期などで変わります。

テレビCMや電車内の広告まで行えば、さらに予算が必要です。会社の商圏が限られているなら、全国へ広告を出すより、その地域のお客様へ届く方法に費用を使うほうがよい場合があります。本を知っていただく方法は、出版後の販促方法でもご紹介しています。

POD・プリントオンデマンドKindle電子書籍の出版

高い出版社なら、原稿や印刷の品質も大きく違うのか

ここは、見積もりを比較するときに知っておいていただきたい点です。私の経験では、地方の出版社、中堅のビジネス系出版社、大手出版社で、ライターへの支払いが出版総額ほど大きく違うとは限りません。印刷・製本も、同じような印刷会社や設備を使う場合があります。

つまり、出版費用が5倍になったから、原稿や印刷の品質まで5倍になるわけではないのです。出版社の名前だけを見て、文章の仕上がりまで判断しないでください。

私が比較していただきたいのは、誰が取材し、誰が書き、どのような本をこれまでつくってきたのかです。担当ライターの文章を読んで、ご自身の会社の強みを理解してくれそうかを確かめてください。当社でも、ライターのプロフィールや文章表現の事例を公開しています。

高い見積もりには、その出版社の知名度や、編集・販売・広告の体制に投資する意味があるかもしれません。その違いを具体的に説明してもらい、自社が必要とする内容なのかを判断することが大切です。

ライター個人プロフィール紹介文章表現・事例集

費用を抑えるコツは、規模の違う3社へ同条件で相見積もり

同じ価格帯だけで比較せず、地方・中堅・大手から選ぶ

私がおすすめするのは、規模の違う出版社から、少なくとも3社の相見積もりを取ることです。地方を含む中小出版社、中堅のビジネス系出版社、大手のビジネス系出版社。その三つを比べれば、費用の違いと、受けられるサービスの違いが見えてきます。

できれば営業担当者とも話してください。会社の事情を聞いてくれるか。本の読者や使い道について具体的な提案があるか。高いプランをすすめるだけでなく、予算に合わせて仕様を考えてくれるか。対応そのものも、選ぶ材料になります。

相見積もりを出す前の準備が、一番大事

ただ「企業出版はいくらですか」と聞くだけでは、各社が得意なパッケージの金額が返ってきます。200万円と400万円の見積もりを並べても、部数もページ数も広告も違えば、比較になりません。

何ページの本を、何部つくり、どこで配布・販売するかをそろえてから依頼する。私は、見積もりを取る前のこの準備が、費用を無駄にしないために一番大事だと考えています。

出版社へ共通して伝える見積もり条件
比較する項目依頼条件の例・確認すること
目的・読者 見込み客への配布、採用、経営理念の共有など
判型・ページ数・部数 同じ判型、本文約200ページ、500部など
製本・印刷 並製本か上製本か、本文白黒か、カラー部分は何ページか
取材・執筆・編集 原稿はゼロからか、取材回数、写真・図版、校正・修正の範囲
販売・保管・配送 私家版、ネット販売、一般書店販売の範囲と期間
広告 媒体名、広告枠、回数、予算。総額に含まれるか
追加費用・消費税 追加になる条件、税込・税別、交通費などの扱い

仕様をまだ決められない場合は、まず一社に相談して仮の条件をまとめ、その条件をほかの出版社にも伝えると比較しやすくなります。当社の出版費用の目安も、予算を考える参考にしてください。

会社の規模に合う出版社を選ぶ――中小企業に1,000万円は必要か

最後は、私自身の率直な考えです。従業員が50名以下の小さな会社にとって、企業出版に400万円、1,000万円を使う判断は、簡単ではないはずです。そうした会社ほど、まずは地方を含む中小出版社を比較先に入れてほしいと思います。

私が会社の規模から相談先を考えるときは、従業員50名以下なら地方・中小出版社、50~500名ほどなら中堅のビジネス系出版社も比較し、500~1,000名規模なら大手出版社への依頼も検討する、という順番を一つの目安にしています。人数で依頼先を決めるというより、無理なく投資できる金額を考えるためです。

「全国の書店に出せます」「大きく宣伝します」と聞くと、魅力を感じるでしょう。ただ、その費用を使って御社の見込み客に何が届くのか、契約や採用、社内の理解にどうつながるのかまで聞いてください。出版社の規模に自社の予算を合わせるのではなく、自社の目的と予算に合う出版社を選ぶことをおすすめします。

売上につなげる出版なら、ブックマーケティングの視点も役立ちます。何冊売れるかだけでなく、本をきっかけに何件の相談や商談につなげたいのかを考える。当社は、そのための一冊を約200万円という価格帯から検討できる相談先でありたいと思っています。

当社の12の特長

まとめ:企業出版は「いくらかけるか」より「何にかけるか」

企業出版の費用は、地方・中小出版社で約200万円、中堅のビジネス系出版社で400万円から、大手のビジネス系出版社で1,000万円以上というのが、私の経験からお伝えする大まかな目安です。さらに、部数、ページ数、製本、カラー、販売方法、広告の内容によって変わります。

安くするために、本来伝えたかった内容を削っては意味がありません。一方で、豪華な装丁や大規模な広告が、どの会社にも必要なわけではありません。読んでほしい相手に、会社の強みや経営者の考えが伝わる本を、無理のない予算でつくる。そのために、条件をそろえた3社の見積もりを比べてみてください。

当社では、約200ページ・約500部に広告を組み合わせて約200万円という規模を目安に、中小企業の本づくりをご相談いただけます。まだ原稿がなくても、「誰に、どのようなことを伝えたいか」からお聞かせください。企業出版の実務と執筆に関わってきた経験を生かして、御社に必要な内容と仕様を一緒に考えます。

下記のお電話番号のボタン(メール送信可)からご相談ください。



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