本に関する豆知識

本の豆知識をざっと集めました!




新規原稿、リライト原稿の違い

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当社の原稿には、二種類あります。新規原稿とリライト原稿です。新規執筆は元の原稿がなにもない状態で、取材をし、新しい原稿をつくりあげることです。リライト原稿は、お客様が手書きやワープロで書いた原稿を元に、ライターが取材をし直して、その元の原稿に修正を加えながら、仕上げなおすものです。

まずは、原稿をお見せください。どの程度の仕上がり具合かを判断し、正確な見積をお出しします。費用は三段階での見積になります。よくできた原稿の場合、簡易修正ですみますので、費用は発生しません。取材で追加した文字量のみの料金をいただきます。つぎに、平均的な出来具合の場合、新規で文章を起こす費用の半額となります。それ以下の品質の場合、残念ながら新規原稿と同じ費用となります。

いずれの場合でも、お客様がすでに書いた原稿がお手元にある状態は当社にとって助かります。取材のまえに、お客様のお気持ちや、おおよその状態をライターが把握することができると、取材時間を有効に活用することができるからです。

当社にお見せいただく原稿は、手書きでもワープロでもかまいません。

自費出版をおこなう会社のなかには、雑な原稿をお客様が提出された場合、書き直して再度もってきてくださいというような、木で鼻を括ったような対応することが多々あります。当社のように執筆代行会社ではないので、専属ライターがおりません。原稿を直すという作業を編集者が自身がしなければならないため、面倒な作業は避けようとします。


並製本(ソフトカバー)と
上製本(ハードカバー)の違い

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表紙がやわらかいのが並製本です(ソフトカバー)。持ち手で曲げることができます。同じサイズの上製本よりも少しサイズが小さくなります。そのため持ち運びがしやすく、電車のなかなどちょっとした移動中にも読みやすいというメリットがあります。

価格面においても、上製本よりも安く仕上がるため、自費出版の際、どちらか選択に迷うという方には、並製本をおすすめします。用途は、自伝、ビジネス書、実用書などに向いています。

表紙に段ボールのような固さをもつのが上製本です(ハードカバー)。折り曲げることはできません。同じサイズの並製本より、上下に6~7ミリほど、サイズが大きくなります。持ち運びには適さず、自宅などで落ち着いて長時間読書するための形態だといえるでしょう。

価格面では、並製本よりも少々高くなります(1.3~1.5倍)が、高級感上質感を演出できること、長期間の保存において紙が劣化しにくいなどのメリットがあります。他にも、表紙がしっかりしているため、破損や水に強いという特長があります。用途は、自伝、社史、小説、絵本、写真集などに向いています。

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「薄い本はイヤだ。分厚い本をつくりたい」と希望されるお客様には、上製本をおすすめしています。表紙の素材が段ボール素材のような分厚いものを、表紙と裏表紙、二カ所に使用することになり、その分、厚み(専門用語でツカといいいます)がでやすくなるからです。

書店販売の場合、発売直後1ヶ月ほどは、平台での面での陳列つまり表紙をみせる陳列(面陳)を書店がしてくれることが多いです。そのときは並製本と大差はありません。しかし、それ以上の期間となりますと、棚に置かれ背表紙のタイトル部分しか、見れなくなります(サシ)。すると、分厚い上製本のほうが、読者の目につきやすくなりますのでその点で並製よりも強みがでてくるのです。

なかには「並製のまま、分厚くしたい」という少々むずかしいご要望を受けることがあります。あきらめないでください。その場合は、本文の用紙自体をすこし厚めにすることで可能になります。これにより1.2倍ほどにはできるかと思います。本文用紙を厚くしすぎると、ページがめくりにくく読みづらくなってしまうので、あらかじめサンプルを取り寄せ確認してみるなど、注意が必要です。

以上のような豆知識?!を活用して、並製本にするか、上製本にするかを考えるべきでしょう。


自費出版に適切な用紙とは?

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いつまでも色あせない本。そのためには品質を極めねばなりません。当社本の書籍用紙は、標準料金にてクリームキンマリを使用。「白」ではなく「ほんのりとしたクリーム色」が、目に優しいのが特長です。さらさらとした手触りと、ページのめくりやすさも絶品です。

クリームはいやだ。それでも「白」がいい。

と希望されるお客様もいらっしゃるでしょう。ですが、白は長い年月のなかで必ず退色します。洋服や車の塗装を同じです。白だけにすこしづつ茶系に変わってしまうのです。最初の発色がいいだけに残念です。クリームキンマリは色の保存性が、白にくらべてかなり長いといえるでしょう。

目に優しいので、長時間、読んでも疲れない。
ページをめくる際、手触りがよく、さらっとしている。
クリームキンマリなら、みなさまの大切な書籍が、しっかり最後のページまで読み進んでもらえるようになるはずです。


何部印刷すればいいのか
わからないときの基準

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当社でよくあるお客様の3つのケースを例に挙げます。

まず第一に、目的をはっきりさせること。家族、親戚、友人知人など周囲だけに配りたいのであれば、10~50部となります。そこに自分の会社の従業員、取引先などを加えたい場合は、50~1000部を希望されるお客様が多いように思います。

実際に手渡したい人の顔を思い浮かべて、数えてみるのがコツです。

第二に、書店で少量を販売したい場合は、30部から受付可能です。20部がサンプル見本となり残り10部のみが販売分となります。書店の棚に陳列されることはなく、書店窓口で取り寄せを希望した方の注文受付のみという形式です。アマゾン、楽天、ツタヤ、セブンネットなどでも注文受付可能となります。

第三に、書店で大量に販売したい場合は、300部から受付可能です。30部がサンプル見本となり残り270部が販売分となります。書店の棚や、平に表紙がみえるように陳列され、読者が実際に手に取って買えるようになります。もちろん、リアル書店だけではなく、先述した主要ネット書店などでも販売可能となります。

ただし。

全国の書店数は約1万1千店といわれていますので、数百部程度ですべての書店に置くことはできません。なら、数千部、数万部印刷すればよいかというとそうではありません。

自費出版の場合、著者の知名度が低い場合がおおいですから、書店がなかなか仕入れたがらないのが実状です。1万部刷って置いてくれる書店が3000店舗ということもよくあります。担当編集者とよく相談し、適正部数をみつけだすようにしましょう。

当社の場合、多くても初版500部から1000部をご提案しています。すべて売れてからの増刷をおすすめしています。そのほうが値段的にもお得ですし、売れ残りリスクを負わずにすみます。


本一冊分、必要な文字数

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書籍の形態、内容によって適正文字数は異なります。最小最大でいうと、最小で3000字8pという本もあれば、50万字1000pという本が存在します。ただ、たとえていうならば平均年収が平均的な家族を表すことがないのと同じで、本にも平均的な文字数、一般的な基準というものは存在しません。ですからあくまで当社で刊行する書籍の平均で述べます。

書籍の形態には、大きくわけて紙の本と電子書籍があります。紙の本の場合、1万字24p~10万字240pの範囲内となります。電子書籍の場合、1万字24p~4万字96pとなります。後述するように、電子書籍は実際に書店の棚に並べたり、ツカを太くする必要がないため、紙の本に比べて薄くなる傾向があります。

内容面から考えるならば、自伝や企業系出版(実用書・ビジネス書)の場合、1万字24pから7万字168pにおさまります。当社のお客様の場合、4万字96pから6万字144pという方が多いです。

小説の場合、4万字96p以上は必要です。これ以下の文字数だと、登場人物の性格や服装、周りの環境、背景などの描写がどうしても不十分になります。話を展開させていくことなく、序盤だけで終わってしまう形になるからです。

読み手の速度から適正文字数考えることもできます。

ビジネスマンのなかには、東京大阪の新幹線の乗車時間のうちに読み切りたいという読者がいるからです。一般的な社会人の読書速度は、1分間に400~800字といわれています。仮に500字とするならば、6万字の本なら120分間。ちょうど2時間で読める計算になります。図版や写真をみる時間は含まれませんから、ビジネス書、自己啓発本などはこれを基準につくることが多いようです。


表紙とカバーの違い

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表紙は、本の一番外側の紙のこと。カバーは表紙の上から本自体をくるむ紙です。一般の方は、カバーのことを表紙と呼んでいることが多いようです。

書店で販売されているふつうの本は、95%以上がカバー付きとなります。ほとんどの本にカバーが付いているので、一般にカバーのことを表紙というようになったのでしょう。だから間違いと断定することもできません。

カバーのない本もあります。

ペーパーバックといいます。カバーがないだけでなく、本文と表紙をくっつけ強化する役割のある「見返し」という色紙がありません。カバーと見返しという二種類の紙を節約できるので、原価が切り詰められるというメリットがあります。そのため定価を安く設定したいような場合に出版社が利用する書籍形態といえます。

逆に、欧米の本は、90%以上がペーパーバックです。カバーはついていません。洋書を買ったり、図書館で呼んだりしたときに、ほとんどがペーパーバックだと気付いた人は多いはずです。これは欧米人が本は単に情報を仕入れるためだけのもの、と割り切っている文化から来ていると思われます。

日本には「言霊」という言葉があります。ですので、言霊が記され、集約されている「本」というもの自体を大切にしている節を感じます。本は単なる情報伝達のツールではなく「人の想い」が載っている神聖なものと見なしているのではないでしょうか。だからカバーをして大切にするのです。

たとえを一例。欧米人は、箱は箱と認識しますが、日本人は箱すらも大事にします。なのでiPhoneやMacの箱は大切に保管します。もちろん売却時に高くなるというメリットもありますが、もしも宅配業者が箱に傷つけてしまうと、ものすごい剣幕でクレームがはいるそうです。なので、箱の箱(笑)が必要になるというのが日本人ですね。これが過剰包装といわれる所以です。

そもそも本のカバーは何のために存在するのでしょうか。本体を汚れや傷から守るというのが本来の役割です。そのため単なる紙ではなくて、多くの本では、その紙をさらにコーティングしています。これをpp加工といいます。それは大きく分けて二種類あり、クリアとマットです。クリアは光沢ある加工で、マットは光りを反射しない加工です。

どちらを選択するかは、表紙のデザインや内容によります。書店の店頭で派手に目立たせたいのであればクリア、落ち着いた雰囲気をだしたいのであればマットというのが標準的なところです。

表紙部分はそういった加工がなされていることが少なく、カバーにpp加工を施すことで、本の上に水や食べ物をこぼしてしまったときに、弾くように保護されるわけです。ちなみに、選挙の街頭ポスターなどにもpp加工は使われています。雨風紫外線対策になるからです。


本の大きさが決められない
オススメのサイズは?

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迷っているなら、四六判がおすすめです。

自伝、小説、ビジネス書、実用書などの文字中心の単行本としておすすめのサイズです。写真集、絵本などをのぞけば、すべてのジャンルに適合します。一般にはなじみの薄いサイズかもしれません。ですが、本の世界では標準サイズとなり、書店に置いてある6~8割の本が四六判といわれています。

四六判をみなさんの知っているサイズで例えますと、B6判となります。B6判は、B5判の半分に折りたたんだサイズですから見当がつきやすいですよね。ただ、写真にあるように、タテの長さのみ4ミリほど長くなっています。ヨコは同じです。

ただし。

製本形式によって多少の変化があります。左の本は、四六判の上製本です。真ん中の本が四六判の並製の本です。タテ・ヨコともに数ミリ長くなっています。これは表紙が本文を保護するため、多少長めのサイズをとるからです。本文の用紙自体の大きさは同じです。表紙の大きさだけが違うのです。同じサイズとなると、カバンなどのなかで表紙や本文にモノが直接当たることがあり、傷むことを防ぐためです。

同じサイズでも製本形式によってサイズは異なる、と覚えておいてください。

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理解をふかめるために、もう一例、挙げておきます。この写真においても、その違いは明白です。「左」と「中」の本は両方A5判です。左が上製本のため、中の並製本よりもタテ・ヨコともに数ミリ長くなっていますね。

なお。

本の内容によってもサイズを検討すべきです。文字中心の本であれば、四六判でかまいませんが、図版が数多くある、図版が複雑でややこしく拡大したい、写真をみやすくしたい、などの場合、当社ではA5判をおすすめしています。一回りサイズが大きくなることで、それらの多くの問題が解決するでしょう。

読者によってもサイズを検討すべきです。たとえば読者が高齢者中心となるような場合、本文の文字を大きくすべきです。すると1pあたりの文字数がすくなくなり、必然的にページを大きくするように迫られます。ページが増えると印刷単価がアップするため、費用を抑えるという意味でも、ワンサイズ大きめの本としてもいいでしょう。

読者の環境も検討しましょう。

予想読者の読書環境も検討しましょう。先述したように、ビジネス書などの場合、つねに持ち運んだり、通勤電車で読みたいという読者があるはずです。その場合、四六判もしくはさらに小さい「新書判」がおすすめです。つり革につかまりながら片手で開いて読む、ランチの空き時間でカバンからサッと取り出して読む、というような状況が想定されるはずです。

※新書判は「岩波新書」のサイズ。文庫より少し大きめ。


図版の挿入は、何点ほど可能?

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図版とはイラスト、写真、表やグラフなどのこと。たとえば自伝において幼少期のことがつらつらと文章のみで書かれていたらどうでしょうか。興味がない読者は、読み疲れてしまうでしょう。疲れてしまって、本を閉じられてしまったら、二度と開けてくれないかもしれません。

そこで。

読者が疲れてくるだろうというタイミング、たとえば5p毎、10p毎というように図版を入れておくと、さいごまで読み進めてくれる確率が高まります。マラソンなら数kmごとに給水所が設けられています。給水所がなければ、ランナーはゴールすることができませんよね。本の制作においても、そんなイメージをもっておくべきなのです。

図版挿入にはいくつかの、サブ的な効果が期待できます。たとえば、です。「祖父は、謹厳実直な人でした」ということを文章でいくら説明しても、読者はイメージしにくいです。そんなことより、お父さんの写真を一枚載せたらどうでしょうか。百聞は一見に如かず、ああこういう人なのかと読者はすぐに理解できるでしょう。

そもそも。

本を読むという行為は疲れます。読むとは能動的な行為だからです。難しい漢字があったり、四字熟語があったり、主語と述語を結びつけて考えたりと、意識的にも無意識的にも、脳をかなり酷使するわけです。

ところが。

図版、たとえばイラストや写真ならどうでしょうか。「読む」ではなく「見る」という行為になります。見るというのは「目に入る」という言葉がしめすように受動的なのです。読むよりも格段に疲れません。マンガが文章本よりも、売れるのはそのためです。

さらに。

図版の効果には、まだまだあります。「まとめ」です。売れている新書、実用書などを思い起こしてください。とくに図版をいれる必要のないページに、その前後の説明を象徴するようなイラストが挿入されていますよね。多少のキャプション(2~3行の説明)も付いています。

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これは読み疲れの「給水所」の役割を果たしながら、文章の展開がどんどん続いていき、読者の頭のなかが整理できずこんがらがって、理解できなくなって来た時を見はからって、最低限必要な、もっとも重要なポイントをまとめて次へ、という効果があるのです。

優秀な編集者は、著者と相談し「ここに、こんなイラストを挿入すればいいですよ」と適切なアドバイスをくれます。いいかげんな編集者は、お金儲けのことや、自分の仕事を単に早く片付けてしまいたいというようなことばかり考えています。ですから、図版を活用するという意識すらもっていない場合が多いので注意してください。出版社の規模に関係なく。。

もちろん。

図版の作成には費用がかかります。当社の場合、1点あたり1万円です。たとえば150pの本を制作するとします。10p毎に図版を入れると15点で15万円の追加費用が必要になります。理想をいえば5pに1点は欲しいところです。文字だけで制作するとその費用は節約できますが、そこをケチって最後まで読み進めてもらえないということと天秤にかけて判断をくだしてください。

皆さんの書棚のなかには、ベストセラー本があるはずです。ビジネス書や、実用書、参考書、などを取り出してみてください。かならずイラスト、グラフ、写真が多用されているはずです。そのときの購入基準を思い出してください。文字中心の本よりも、イラストや写真が多いものを選んで買っているはずです。さらに、白黒だけの本よりも、カラー刷りの本を選んでいるはずです。

ですので、予算が許すならば、イラストや写真をできるだけ入れる、可能ならばカラーで、をオススメします。多少の予算アップは覚悟のうえ、よき選択をされることをオススメします。イラストや写真のパワーは想像以上に絶大だからです。

戦争の悲惨さをいくら文章でながながと説いてもムダ。勇気あるカメラマンが撮影した一枚の写真が、政治や外交を動かした例は、枚挙に暇がありません。

百聞は一見にしかず。図版を活用することで、本を最後まで読み進めてもらえることができるのです。そういった小さな工夫を忘れないようにしましょう。




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