今日の一言 H・K子さんとの思い出

2014/01/26

もう10年も前の話である。私がまだ駆け出しのライターだった頃、企画屋さんとして働いていたときのことだ。単行本の企画をつくって、それを出版社に持ち込み、OKがでたら原稿を書いていくのである。 

それを通じて東京一橋の大手出版、S社さんと親しくなった。東京にいくと、S社の担当者の方が「飲みに行こう」ってすぐに誘ってくださるのであるが、やはりその店は、S社の編集者行きつけの店となる。 

店に入ると奥に女性と男性の一組がいた。男性はS社の編集者さんで女性はH・K子という作家さんであった。会話の流れで、4人で話さなければならなくなった。 H・K子さんという人は、作家さんで、私からすれば女性ならではのフレッシュな視点で、エロティックな小説を書いていらっしゃるな、程度の印象だったのであるが...。 

話をよく聞いているとH・K子さんは、滋賀県の出身で、それをすごくコンプレックスに思っていた。何に対するコンプレックスかというと、京都に対してである。それで私にいろいろなところで難癖をつけてくるのだが、攻撃されてばかりいるのも癪にさわるので、私も多少反撃をしたのである。 

どうして滋賀県の方は、自家用車を登録するとき、滋賀ナンバーでなく、わざわざ京都ナンバーにする人がいるのですか── 

滋賀県には、滋賀新聞というのはありませんよね。 どうして、京都新聞の滋賀県版を読むのですか── 

これにはH・K子さんは相当、激怒。 
でもお話していると、やはり純で、真っ正直な性格を感じるのですね。 そして、最終的には京都の漬物はおいしい──という結論で、仲直りしました。(^_^;) 

 さてさて。 H・K子さんとは誰でしょう。 もうおわかりですね。 先日、直木賞をとられた、あのお方でございます。 H・K子さん。直木賞の受賞、おめでとうございます! これからもバリバリ活躍してください! そしてまた、一緒に飲む機会があったら、滋賀県VS京都で、やり合いましょう(笑)

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※写真は滋賀県でセーリングをする私。
 H・K子さん、私も滋賀県は大好きなんですよ。





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